長野県茅野市 O様邸
歴史とアートが交差するアトリエ
オーナー様は、東京で活躍する美術アーティストです。
絵画を中心に手掛けるオーナー様の作品は、自然をテーマにした綺麗な色使いと力強いデザインが魅力です。
そんなオーナー様にとって、創作活動に必要なことは「自然と向き合い、自分自身と深く対話できる空間」です。
東京の忙しい日常から離れ、心から静かになる場所を探していたところ、長野県茅野市にあるお母様の実家である古民家がその条件にぴったりだと感じられたそうです。
こちらの古民家は築100年以上の歴史を持ち、オーナー様のお母様が幼少期を過ごした思い出の詰まった家。
しかし、空き家になってからは訪れることも少なくなり、このまま朽ちていくのがとても悲しく…建物そのものが持つ趣を活かしながら、ご自身の創作活動の拠点としても使える場所にしたいと思い、リノベーションを決意されたそうです。
古民家ならではの梁をアクセントに
リノベーションの中で特にこだわったポイントは、ひと際存在感を放っているこちらの立派な「梁」です。
住まいを100年以上支えてきた古民家ならではの「梁」。
その存在感が空間全体の印象を左右すると考え、アトリエスペースの中心的な要素として活用しています。
床材には島根県産の智頭杉
オーナー様のリノベーションプロジェクトでは、床材にも特別なこだわりがありました。その選択肢として選ばれたのが、島根県から取り寄せた「智頭杉(ちづすぎ)」です。この杉材は、全国的にも知られる銘木で、美しい木目と独特の柔らかさが特徴です。
オーナー様が智頭杉を選んだ背景には、その美しさだけでなく、木材の持つ文化的価値も影響していました。
「古民家の梁や建具など、再利用した素材と自然に馴染む床材を探していました。智頭杉はただ美しいだけでなく、日本の伝統や自然への敬意を感じさせる素材で、この家のリノベーションテーマにもぴったりだと思いました。」とオーナー様は語ります。
随所に古民家の記憶を
障子や模様入りの曇りガラスは、もともと古民家で使っていたものを再利用しました。
アンティーク建具は、高級感のある和風建具として上質な趣を醸し出しています。
これらを再利用することで、古民家の「記憶」を残しながら、モダンでおしゃれなデザインに仕上がるよう工夫しました。
機能性と美しさを両立した収納空間
アトリエには、創作活動を支えるための収納スペースが隣接しています。しかし、この収納スペースは単なる「物をしまう場所」ではなく、施主様の作品や創作道具を「魅せる」空間としてデザインされています。
棚の高さや配置は細かく調整されており、完成した作品をギャラリーのように飾ることが可能です。
また、壁や棚の仕上げには、自然素材を使用しており、アトリエの全体的な統一感が保たれています。「作品がそのままインテリアになる空間なので、収納の時間も創作の一部として楽しめます。」と施主様は話します。
柔らかな印象を与えるアーチ壁
収納スペースへの入口は、通常の直線的な形状ではなく、柔らかなアーチ壁を採用。これにより、古民家特有の直線的で重厚な雰囲気に、少し遊び心を加えたデザインが実現しました。
このアーチ形状は、スペース全体に親しみやすさを感じさせると同時に、アトリエ全体のインテリアデザインにも一体感をもたらしています。
「アーチ壁は、私の作品の曲線や有機的なデザインとも通じるものがあり、この空間にぴったりだと思いました。」と施主様は語ります。
アーチのフォルムが空間のアクセントとなり、デザインポイントにもなっています。
こだわりのキッチンも完備
アトリエスペースには、創作活動をより快適にサポートするためのキッチンスペースも完備しています。
創作活動では、絵の具や筆、パレットなどを使うため、すぐに水を使える環境が不可欠です。こちらのアトリエでは、キッチン内に深めの流し台を設置し、使った道具をすぐに洗えるよう配慮されています。この流し台は、深さと広さにこだわり、筆やパレットをまとめて洗えるサイズに設計しました。
今回リノベーションした築100年以上の古民家は、アートと暮らしが共存する唯一無二の空間として新たな命を吹き込まれました。
趣のある梁をそのまま残し、再利用された障子や曇りガラスが古民家の記憶を紡ぎながらも、現代的で洗練された空間に生まれ変わったアトリエ。そこに併設されたアーチ壁の収納スペースや智頭杉の床材が、機能性とデザイン性の両方を支えています。また、キッチンスペースには広い流し台が完備され、創作活動をスムーズに進められる工夫が施されています。
OWNER’S VOICE オーナー様の声
長野県茅野市の築100年以上の古民家をリノベーションするというプロジェクトは、私にとって大きな挑戦であり、同時にとても特別な経験でした。
幼い頃から家族で集まった思い出の詰まったこの家は、私にとって単なる建物ではなく、家族の歴史そのものです。その空間をアトリエ兼住居として再生し、新しい形で命を吹き込むことができたことに、ディーズクラフトさんには心から感謝しています。
リノベーションでは、古民家特有の梁や建具を残しつつ、新たに取り入れた智頭杉の床材やアーチ壁の収納スペースが、この家の魅力をさらに引き立ててくれました。アトリエの中に設けたキッチンスペースや照明も、私の創作活動を支える大切な要素です。この家そのものが、私の作品を生み出すための大きなインスピレーションとなっています。
このプロジェクトを通して、ディーズクラフトの皆さまが私の想いを丁寧に形にしてくださったことに感謝しています。古民家の歴史や趣を守りながら、現代の暮らしに合う形に再生するという難しい要望を、見事に実現してくださいました。
これからも、この空間とともに新しい物語を紡いでいきたいと思います。
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ディーズクラフトの想い
ディーズクラフトは、諏訪、長野県南信地域に根差したローカル工務店です。
施工範囲は、茅野市・諏訪市・下諏訪町・岡谷市・塩尻市・松本市・安曇野市・原村・富士見町・伊那市・飯田市・駒ヶ根市・辰野町などの長野県南信・中信地域のほか、山梨県の北杜市・南アルプス市・韮崎市など、諏訪郡 寒冷地を中心に一般住宅や集合住宅・店舗の建設を行っております。
昔ながらの日本家屋をリノベーションする「古民家リノベーション」は、レトロモダンな雰囲気やデザイン性の高さが魅力的でとても人気です。
ディーズクラフトでは、たくさんの古民家リノベを施工させていただいております。
まずはお気軽にお問合せいただき、おなたのご希望をお聞かせください。